難治性冠攣縮により冠動脈自然解離をきたした若年女性の1例
18歳女性.X年5月某日朝10時頃,通っている大学の駐輪場で倒れているところを発見された.救急隊接触時は無脈性電気活動であったが,救急隊がアドレナリンを投与すると心拍再開した.初診時の冠動脈造影では異常所見を認めず,低体温療法を施行し神経学的後遺症なく回復した.第7病日早朝に胸痛が出現し,前胸部誘導でST上昇を認めた.冠動脈造影では左前下行枝#6に99%狭窄を認め,硝酸薬を冠注したが閉塞は解除されなかった.血管内超音波で冠動脈解離と近位部の血腫形成を指摘された.スコアリングバルーンで血腫に亀裂を入れ内腔の圧迫を解除し再灌流を得ることができた.経過中胸痛と心電図変化を繰り返し,強い攣縮が冠動脈自...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2019/02/15, Vol.51(2), pp.154-159 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 18歳女性.X年5月某日朝10時頃,通っている大学の駐輪場で倒れているところを発見された.救急隊接触時は無脈性電気活動であったが,救急隊がアドレナリンを投与すると心拍再開した.初診時の冠動脈造影では異常所見を認めず,低体温療法を施行し神経学的後遺症なく回復した.第7病日早朝に胸痛が出現し,前胸部誘導でST上昇を認めた.冠動脈造影では左前下行枝#6に99%狭窄を認め,硝酸薬を冠注したが閉塞は解除されなかった.血管内超音波で冠動脈解離と近位部の血腫形成を指摘された.スコアリングバルーンで血腫に亀裂を入れ内腔の圧迫を解除し再灌流を得ることができた.経過中胸痛と心電図変化を繰り返し,強い攣縮が冠動脈自然解離の原因と考えられた.このため硝酸薬とカルシウム拮抗薬を投与した.第41病日の冠動脈造影で左前下行枝近位部の拡張病変を認め,過換気負荷試験で冠攣縮が誘発された.薬効不十分と判断し硝酸薬とカルシウム拮抗薬を増量したところ胸痛は消失し,第56病日に退院した.10歳代の冠攣縮性狭心症は稀であり,冠攣縮性狭心症に伴う冠動脈解離の報告はさらに稀である.難治性冠攣縮により冠動脈自然解離をきたし,心肺停止から救命し得た症例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.51.154 |