化膿性脊椎炎を合併した三尖弁感染性心内膜炎の1症例

症例は74歳,男性.腰痛の精査にて近医より当院整形外科に紹介受診となり精査入院中,低血糖と見当識障害を契機とした全身精査にて,三尖弁に直径20×16 mmの疣腫を認め,三尖弁感染性心内膜炎と診断した.直ちにペニシリンG 2400万単位を開始した.その後,腰椎においても,初診時にはみられなかった骨破壊像が出現し,化膿性脊椎炎と診断された.三尖弁の疣腫は手術適応とされるサイズであったが,腰椎の感染巣の存在下での開心術は術後感染リスクが高いと判断された.一方,腰椎の骨破壊は進行性で,保存的加療での改善は困難と判断され,腰椎後方固定術を施行された.第79病日にて抗生剤投与終了したが,感染の再燃徴候なく...

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Veröffentlicht in:心臓 2018/12/15, Vol.50(12), pp.1316-1322
Hauptverfasser: 手塚, 綾乃, 肥後, 建樹郎, 榎園, 圭, 内山, 洋太, 茶園, 秀人, 湯浅, 敏典, 德本, 寛人, 武冨, 榮二, 大石, 充
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は74歳,男性.腰痛の精査にて近医より当院整形外科に紹介受診となり精査入院中,低血糖と見当識障害を契機とした全身精査にて,三尖弁に直径20×16 mmの疣腫を認め,三尖弁感染性心内膜炎と診断した.直ちにペニシリンG 2400万単位を開始した.その後,腰椎においても,初診時にはみられなかった骨破壊像が出現し,化膿性脊椎炎と診断された.三尖弁の疣腫は手術適応とされるサイズであったが,腰椎の感染巣の存在下での開心術は術後感染リスクが高いと判断された.一方,腰椎の骨破壊は進行性で,保存的加療での改善は困難と判断され,腰椎後方固定術を施行された.第79病日にて抗生剤投与終了したが,感染の再燃徴候なく,三尖弁の疣腫にも変化を認めず,開心術は施行せず経過観察の方針となった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.50.1316