植込み型除細動器の植込み術後遅発性心嚢液貯留に対して外科的修復術を施行した1例

不整脈の治療デバイスとして植込み型除細動器(implantable cardioverter defibrillator;ICD)が広く普及している.これらのリード植込みによる合併症はリード穿孔,心タンポナーデ,感染,心膜炎,血栓塞栓症,気胸,血胸,リード断線などがある.今回我々は,ICDの植込み術後に発生した遅発性心嚢液貯留症例に対して,外科的修復術を施行し良好な結果を得られたので報告する.症例は34歳男性.繰り返す心室細動に対してICD植込みが施行された.術後2週間目に貧血と心嚢液貯留を認めた.経食道心エコー図などで心臓の穿孔は明らかでなかったが,心嚢ドレナージと止血目的にて開胸手術を行っ...

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Veröffentlicht in:心臓 2018/08/15, Vol.50(8), pp.922-928
Hauptverfasser: 桒田, 憲明, 古川, 博史, 田村, 太志, 本田, 威, 山澤, 隆彦, 渡部, 芳子, 柚木, 靖弘, 田淵, 篤, 種本, 和雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:不整脈の治療デバイスとして植込み型除細動器(implantable cardioverter defibrillator;ICD)が広く普及している.これらのリード植込みによる合併症はリード穿孔,心タンポナーデ,感染,心膜炎,血栓塞栓症,気胸,血胸,リード断線などがある.今回我々は,ICDの植込み術後に発生した遅発性心嚢液貯留症例に対して,外科的修復術を施行し良好な結果を得られたので報告する.症例は34歳男性.繰り返す心室細動に対してICD植込みが施行された.術後2週間目に貧血と心嚢液貯留を認めた.経食道心エコー図などで心臓の穿孔は明らかでなかったが,心嚢ドレナージと止血目的にて開胸手術を行った.リードの穿通はなかったが右心耳に白苔の付着と血液の滲出を認め,同部位でscrew-in型心房リードのねじ込み操作を繰り返したことが原因と考えられた.術後経過は良好で術後16日目に退院した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.50.922