疫学研究と大規模臨床試験の進歩

「はじめに」わが国における高血圧患者数は2010年において約4300万人と推定されており, その後も高齢化に伴い増加していると推測される. 高血圧は脳卒中や冠動脈疾患などの心血管疾患の主要な危険因子であり, 心不全, 腎不全などの循環器系臓器障害の進展にも大きな影響を与える. 高齢化が進行しているわが国においては, これらの心血管疾患や臓器不全の発症を抑制することが重要な課題であり, 主要かつ介入可能な危険因子として高血圧の管理を強化することが必須である. そのためには, わが国における高血圧治療のこれまでの推移と現況を理解することが, 次のステップを考える上で貴重な情報となる. 本稿では,...

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Veröffentlicht in:心臓 2018/05/15, Vol.50(5), pp.498-505
Hauptverfasser: 石光, 俊彦, 綿引, 愛美, 渡邉, 朋子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」わが国における高血圧患者数は2010年において約4300万人と推定されており, その後も高齢化に伴い増加していると推測される. 高血圧は脳卒中や冠動脈疾患などの心血管疾患の主要な危険因子であり, 心不全, 腎不全などの循環器系臓器障害の進展にも大きな影響を与える. 高齢化が進行しているわが国においては, これらの心血管疾患や臓器不全の発症を抑制することが重要な課題であり, 主要かつ介入可能な危険因子として高血圧の管理を強化することが必須である. そのためには, わが国における高血圧治療のこれまでの推移と現況を理解することが, 次のステップを考える上で貴重な情報となる. 本稿では, わが国における高血圧に関する疫学研究や臨床試験の成績を概覧し, 今後の高血圧およびその合併症の抑制を目的とした介入の方向性について展望する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.50.498