5. 外科的治療の進歩

「はじめに」心臓外科誕生から30年間は閉鎖式僧帽弁交連切開術 (closed mitral commissurotomy ; CMC) が主座にあって, この間を弁膜症外科の黎明期と見なすことができる. 1970年代後半になると, 医療の近代化が急速に進み, 新しい人工弁が登場して弁置換術への信頼が高まり, あらゆる手術が急速に展開する発展期を迎えた. 1990年代後半以降は僧帽弁形成術 (mitral valve repair ; MVRe) と大動脈弁生体弁置換術が標準手術になり, 一方では大動脈弁温存・形成術また低侵襲手術が始まり, 患者のQOLを最優先する成熟期に入って今日に至っている...

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Veröffentlicht in:心臓 2018-04, Vol.50 (4), p.362-367
1. Verfasser: 川副浩平
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」心臓外科誕生から30年間は閉鎖式僧帽弁交連切開術 (closed mitral commissurotomy ; CMC) が主座にあって, この間を弁膜症外科の黎明期と見なすことができる. 1970年代後半になると, 医療の近代化が急速に進み, 新しい人工弁が登場して弁置換術への信頼が高まり, あらゆる手術が急速に展開する発展期を迎えた. 1990年代後半以降は僧帽弁形成術 (mitral valve repair ; MVRe) と大動脈弁生体弁置換術が標準手術になり, 一方では大動脈弁温存・形成術また低侵襲手術が始まり, 患者のQOLを最優先する成熟期に入って今日に至っている. 本稿執筆に際し, 主として日本胸部外科学会学術集会の発表抄録を通覧することで, わが国における弁膜症の外科治療の進歩の跡を眺めてみることにした.
ISSN:0586-4488