特発性血小板減少性紫斑病に合併し肺動脈中枢部巨大血栓を呈した肺高血圧症の1例

症例は80歳女性.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)にて7年前よりステロイド加療中,4年前より肺動脈拡張が認められていた.今回,全身倦怠感と呼吸困難で入院,肺高血圧と拡大した肺動脈中枢部に巨大血栓を認めた.肺血管拡張薬で治療したところ,肺高血圧の改善と肺動脈内の血栓の消失を認めた.肺動脈末梢に血栓はなく肺血流シンチの異常も認めず,以前より肺動脈拡張が認められていたことより,慢性的な肺高血圧により肺動脈拡張をきたし,そこに血栓が形成されたと考えた.肺血管拡張薬の投与で肺高血圧は改善し,肺動脈内血栓も消失した.ITPに合併した肺高血圧症はこれまでなく,さらに肺高血圧治療に伴い肺動脈内血栓の消失も確...

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Veröffentlicht in:心臓 2018/01/15, Vol.50(1), pp.95-101
Hauptverfasser: 出嶋, 育朗, 片山, 陽介, 宮本, 芳行, 岩畔, 哲也, 宮本, 正興, 奥本, 泰士, 木村, 桂三, 赤木, 秀治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は80歳女性.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)にて7年前よりステロイド加療中,4年前より肺動脈拡張が認められていた.今回,全身倦怠感と呼吸困難で入院,肺高血圧と拡大した肺動脈中枢部に巨大血栓を認めた.肺血管拡張薬で治療したところ,肺高血圧の改善と肺動脈内の血栓の消失を認めた.肺動脈末梢に血栓はなく肺血流シンチの異常も認めず,以前より肺動脈拡張が認められていたことより,慢性的な肺高血圧により肺動脈拡張をきたし,そこに血栓が形成されたと考えた.肺血管拡張薬の投与で肺高血圧は改善し,肺動脈内血栓も消失した.ITPに合併した肺高血圧症はこれまでなく,さらに肺高血圧治療に伴い肺動脈内血栓の消失も確認できた貴重な症例を経験した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.50.95