単独の生体三尖弁置換術後に右房血栓症発症,右心不全を繰り返し,初回手術から27年後に再弁置換術を施行した1例
症例は40歳,女性.5歳時,動脈管開存症に対して,コイル塞栓術を施行する際に三尖弁を損傷し,13歳時に生体三尖弁置換術を施行された.抗凝固療法を継続していたが,32歳時に挙児希望のため中止した.34歳時に心房粗動が出現した.37歳時に右房血栓症,右心不全のため入院となった.抗凝固療法によって血栓は消失した.再弁置換術も検討したが,手術のリスクが不明であることと,将来,再々弁置換術が必要になる可能性も考慮して,内科治療を選択した.しかし,その後も右心不全症状は持続し,40歳時に2回目の入院となった.この時点の心臓超音波検査にて生体三尖弁最大流入速度の上昇,圧半減時間の延長,右房右室間平均圧較差の...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2017/12/15, Vol.49(12), pp.1241-1247 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は40歳,女性.5歳時,動脈管開存症に対して,コイル塞栓術を施行する際に三尖弁を損傷し,13歳時に生体三尖弁置換術を施行された.抗凝固療法を継続していたが,32歳時に挙児希望のため中止した.34歳時に心房粗動が出現した.37歳時に右房血栓症,右心不全のため入院となった.抗凝固療法によって血栓は消失した.再弁置換術も検討したが,手術のリスクが不明であることと,将来,再々弁置換術が必要になる可能性も考慮して,内科治療を選択した.しかし,その後も右心不全症状は持続し,40歳時に2回目の入院となった.この時点の心臓超音波検査にて生体三尖弁最大流入速度の上昇,圧半減時間の延長,右房右室間平均圧較差の上昇,三尖弁逆流中等症を認め,生体弁機能不全の指標に合致しており,初回三尖弁置換術から27年後に生体弁による再弁置換術を行った.術後完全房室ブロックのためにペースメーカを必要とした.その後の右心不全のコントロールは良好である. 左心や他の弁機能異常を合併していない単独三尖弁手術の予後についての報告は非常に少なく,三尖弁位生体弁の耐久性には個体差が大きいことから,再弁置換術のタイミングには苦慮することが多い.本症例では,心臓超音波検査における経時変化の詳細な検討が,その時期を決定するのに有用であった. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.49.1241 |