Kartagener症候群に対して冠動脈インターベンション (PCI) を施行した1例

《Abstract》症例は52歳, 男性. 慢性副鼻腔炎, 気管支拡張症とともに内臓逆位を呈し, Kartagener症候群と診断されている. 進行性貧血を契機に発見された結腸癌の術前精査にて左前下行枝の高度狭窄が判明した. 労作時狭心症状はあるも不安定徴候はなく, 抗血小板治療期間も考慮して結腸部分切除後2カ月の時点で待機的に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した. PCIは右橈骨動脈アプローチにて行い, 右大動脈弓・右胸心のためX線透視はdouble-inversion法によるスクリーン表示および前斜位角度を左右反転した画像を用いた. 術中合併症を特に生ずることなく, ステント...

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Veröffentlicht in:心臓 2017-07, Vol.49 (7), p.686-693
Hauptverfasser: 杉山裕章, 濱口秀人, 小笹寧子, 龍田健, 西村進一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:《Abstract》症例は52歳, 男性. 慢性副鼻腔炎, 気管支拡張症とともに内臓逆位を呈し, Kartagener症候群と診断されている. 進行性貧血を契機に発見された結腸癌の術前精査にて左前下行枝の高度狭窄が判明した. 労作時狭心症状はあるも不安定徴候はなく, 抗血小板治療期間も考慮して結腸部分切除後2カ月の時点で待機的に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した. PCIは右橈骨動脈アプローチにて行い, 右大動脈弓・右胸心のためX線透視はdouble-inversion法によるスクリーン表示および前斜位角度を左右反転した画像を用いた. 術中合併症を特に生ずることなく, ステント留置に成功した. 術後約2年の経過で胸部症状の再発なく, PCI 6カ月後に施行した追跡造影でもステント再狭窄などを認めていない. 内臓逆位を伴うKartagener症候群に対するPCI症例の報告は稀少であり, 施術の様子や臨床経過および文献的考察も交えて報告する.
ISSN:0586-4488