3 ファブリー病 (アルファガラクトシダーゼ酵素製剤)
「はじめに」ファブリー病は, α-galactosidase活性の欠損・低下によって引き起こされるX連鎖性遺伝のライソゾーム病であり, 進行性に心障害, 腎障害, 脳血管障害を生じ, これらの臓器障害が生命予後を規定する. 心病変では肥大型心筋症様の肥大を呈し拡張障害を認め, さらに進行すると収縮不全によって難治性心不全をきたす. 従来は対症療法しかなかったが, 現在では酵素補充療法が使用可能であり, 病状改善あるいは進行抑制効果が報告されている. 本稿では, ファブリー病の病態・臨床症状と酵素補充療法について解説する. 「病因・病態」ファブリー病は, X染色体上にあるα-galactosid...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2017-05, Vol.49 (5), p.444-448 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」ファブリー病は, α-galactosidase活性の欠損・低下によって引き起こされるX連鎖性遺伝のライソゾーム病であり, 進行性に心障害, 腎障害, 脳血管障害を生じ, これらの臓器障害が生命予後を規定する. 心病変では肥大型心筋症様の肥大を呈し拡張障害を認め, さらに進行すると収縮不全によって難治性心不全をきたす. 従来は対症療法しかなかったが, 現在では酵素補充療法が使用可能であり, 病状改善あるいは進行抑制効果が報告されている. 本稿では, ファブリー病の病態・臨床症状と酵素補充療法について解説する. 「病因・病態」ファブリー病は, X染色体上にあるα-galactosidase(α-gal)の責任遺伝子であるGLA遺伝子の異常によりα-gal活性が欠損あるいは低下するライソゾーム病であり, これまでに300以上のさまざまな遺伝子変異が報告されている. |
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ISSN: | 0586-4488 |