4 重症虚血肢の再生医療

「はじめに」動脈硬化を基盤とする虚血性疾患(虚血性心疾患・脳血管障害・末梢動脈閉塞性疾患など)にとって加齢は重大なリスク要因であり, 世界に先駆けて超高齢社会に突入した我が国においても, その罹患数は増加傾向にある. また食生活の欧米化等に伴い, 糖尿病や脂質異常症の罹患率も増加しており, これら動脈硬化性疾患の増加に大きく関与している. 末梢動脈閉塞性疾患(arteriosclerosis obliterans;ASO またはperipheral arterial disease;PAD)は, 下肢動脈の粥状硬化により, 主に腹部より遠位の大動脈・腸骨動, 下肢の主幹動脈が狭窄や閉塞をきたし...

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Veröffentlicht in:心臓 2017-03, Vol.49 (3), p.232-239
Hauptverfasser: 近藤和久, 林田竜, 柴田玲, 室原豊明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」動脈硬化を基盤とする虚血性疾患(虚血性心疾患・脳血管障害・末梢動脈閉塞性疾患など)にとって加齢は重大なリスク要因であり, 世界に先駆けて超高齢社会に突入した我が国においても, その罹患数は増加傾向にある. また食生活の欧米化等に伴い, 糖尿病や脂質異常症の罹患率も増加しており, これら動脈硬化性疾患の増加に大きく関与している. 末梢動脈閉塞性疾患(arteriosclerosis obliterans;ASO またはperipheral arterial disease;PAD)は, 下肢動脈の粥状硬化により, 主に腹部より遠位の大動脈・腸骨動, 下肢の主幹動脈が狭窄や閉塞をきたし, 進行性の血行障害をきたすものである. 治療として理学療法や薬物療法, また血行再建術(経皮的血管形成術やバイパス手術など)が適応となるが, 創薬や医療器材の進歩に伴い, このような治療による改善効果にも進展が見られているが, 特に血液透析患者や糖尿病患者においては下腿にびまん性病変を形成しやすく, 血行再建術が困難となるケースも少なくない.
ISSN:0586-4488