急速に形成された維持透析患者におけるcalcified amorphous tumorの1例

症例は61歳の男性.既往に糖尿病,閉塞性動脈硬化症がある.糖尿病による慢性腎不全のため17年前より維持透析を導入されている.定期検査の心エコー図検査にて,左室側僧帽弁前尖基部に付着した,左室内と大動脈内を行き来する線状エコーを認めた.経食道心エコー図検査において索状物は僧帽弁前尖(A3)基部に茎を認めていた.塞栓の危険性を考慮し,切除術が施行された.切片組織の病理所見からcalcified amorphous tumor(CAT)と診断された.6カ月前に実施された心エコー図検査では本所見は認めておらず,短期間でCATが形成されたことが示唆された.今回,透析患者に定期的に施行している心エコー図検...

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Veröffentlicht in:心臓 2017/02/15, Vol.49(2), pp.141-145
Hauptverfasser: 佐藤, 文昭, 山内, 孝, 寺澤, 史明, 岩崎, 沙理, 加賀谷, 希望, 土田, 幸弘, 長谷川, 幸生, 久保田, 卓
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は61歳の男性.既往に糖尿病,閉塞性動脈硬化症がある.糖尿病による慢性腎不全のため17年前より維持透析を導入されている.定期検査の心エコー図検査にて,左室側僧帽弁前尖基部に付着した,左室内と大動脈内を行き来する線状エコーを認めた.経食道心エコー図検査において索状物は僧帽弁前尖(A3)基部に茎を認めていた.塞栓の危険性を考慮し,切除術が施行された.切片組織の病理所見からcalcified amorphous tumor(CAT)と診断された.6カ月前に実施された心エコー図検査では本所見は認めておらず,短期間でCATが形成されたことが示唆された.今回,透析患者に定期的に施行している心エコー図検査にて,自覚症状がなく,塞栓の原因となりうる所見を発見することができたので,文献と若干の考察を加えて報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.49.141