超高齢で発症した platypnea orthodeoxia syndrome (POS) の1例

《Abstract》症例は, 90歳, 女性. 約2カ月前に右大腿骨頸部骨折を受傷, 前医で大腿骨頭置換術を施行された. 創部の術後経過は良好であったが, 座位にすると出現する低酸素血症のため, 離床が進まず寝たきりとなった. 肺塞栓症が疑われ抗凝固療法が開始されたが低酸素血症の改善なく, 当院に転院した. 経胸壁心コントラストエコー図で, 心房間での右左短絡を認めた. 胸部造影CTでは上行大動脈高度蛇行および拡大を認めたが, 肺塞栓症は明らかではなかった. 右心カテーテル検査では肺動脈圧および肺血管抵抗は正常であった. POSと診断し, 経皮的卵円孔閉鎖術を実施した. 術後, 座位にしても低...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 2017-01, Vol.49 (1), p.59-65
Hauptverfasser: 脇坂悠介, 東谷卓美, 金澤英明, 貞廣威太郎, 鶴田ひかる, 深江智明, 高橋賢至, 李慧崇, 西澤健也, 末吉浩一郎, 福田恵一, 秋月哲史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:《Abstract》症例は, 90歳, 女性. 約2カ月前に右大腿骨頸部骨折を受傷, 前医で大腿骨頭置換術を施行された. 創部の術後経過は良好であったが, 座位にすると出現する低酸素血症のため, 離床が進まず寝たきりとなった. 肺塞栓症が疑われ抗凝固療法が開始されたが低酸素血症の改善なく, 当院に転院した. 経胸壁心コントラストエコー図で, 心房間での右左短絡を認めた. 胸部造影CTでは上行大動脈高度蛇行および拡大を認めたが, 肺塞栓症は明らかではなかった. 右心カテーテル検査では肺動脈圧および肺血管抵抗は正常であった. POSと診断し, 経皮的卵円孔閉鎖術を実施した. 術後, 座位にしても低酸素血症は生じなくなった. 卵円孔開存および大動脈蛇行が原因の超高齢で発症したPOSを経験したので, 報告する.
ISSN:0586-4488