当院における肺動脈肉腫の2症例
症例1:78歳女性.20XX年8月に胸痛が出現し近医を受診,造影CTで肺動脈本幹から右肺動脈にかけ造影欠損を認め当院に救急搬送された.急性肺血栓塞栓症を疑い,ウロキナーゼ,へパリン点滴を行うも第11病日の造影CTで造影欠損像は不変であった.ワルファリン内服で外来加療を行うも10月の造影CTで末梢側へ造影欠損像が進展した.慢性肺血栓塞栓症として心臓血管外科にて肺動脈内膜摘除術を施行したところ,病理所見より肺動脈肉腫の診断となった.本人の希望で保存的に加療され,局所再発,心膜浸潤を認め,翌年9月に永眠した. 症例2:52歳女性.20YY年5月より歩行時の呼吸困難感を自覚していた.7月に職場検診のP...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2016/12/15, Vol.48(12), pp.1371-1376 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例1:78歳女性.20XX年8月に胸痛が出現し近医を受診,造影CTで肺動脈本幹から右肺動脈にかけ造影欠損を認め当院に救急搬送された.急性肺血栓塞栓症を疑い,ウロキナーゼ,へパリン点滴を行うも第11病日の造影CTで造影欠損像は不変であった.ワルファリン内服で外来加療を行うも10月の造影CTで末梢側へ造影欠損像が進展した.慢性肺血栓塞栓症として心臓血管外科にて肺動脈内膜摘除術を施行したところ,病理所見より肺動脈肉腫の診断となった.本人の希望で保存的に加療され,局所再発,心膜浸潤を認め,翌年9月に永眠した. 症例2:52歳女性.20YY年5月より歩行時の呼吸困難感を自覚していた.7月に職場検診のPET-CTで,肺門部に異常集積を認め,当院呼吸器内科を受診した.造影CTで右肺門部に造影欠損を認めた.肺動脈腫瘍を疑い血管内生検を施行し,肺動脈肉腫の診断となった.10月よりADR単剤で化学療法を施行するも腫瘍の増大を認め,翌年1月に右肺全摘術を施行され,平滑筋肉腫の診断となった.2月に無症候性の脳転移を認め,定位放射線照射施行するも,新規脳転移巣の出現とともに麻痺・痙攣を認めた.肺炎を併発し7月に永眠した. 肺動脈肉腫は進行性の悪性腫瘍で早期診断が重要だが,稀な疾患で肺血栓塞栓症との鑑別が困難である.本2症例の経過を踏まえ,肺動脈肉腫を早期診断するための肺血栓塞栓症との鑑別点につきフローチャートを作成し,文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.48.1371 |