通常培養陰性なるも炭酸ガス培養にて同定されたGranulicatella elegansによる感染性心内膜炎の1例
今回,我々はGranulicatella elegansに起因する感染性心内膜炎の1例を経験したので報告する.症例は50歳,男性.生来健康.某年12月中旬より39℃台の発熱を認め近医よりCAMを処方された.翌年1月19日,心雑音の出現を認め紹介となった. CRP 5.271 mg/dL,WBC 9700/mm3と炎症反応上昇,心エコーにてMR:Ⅲ〜Ⅳ度,明らかな疣贅.胸部X線上,心不全は認めず.GRNXを処方し帰宅となる.1月23日,下腿浮腫増悪にて受診.心エコー上,MR:Ⅳ度,P2に11 mmの疣贅を認めたことより,感染性心内膜炎,うっ血性心不全の診断にて入院となった.心不全は,カルペリチド...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2016/11/15, Vol.48(11), pp.1306-1312 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今回,我々はGranulicatella elegansに起因する感染性心内膜炎の1例を経験したので報告する.症例は50歳,男性.生来健康.某年12月中旬より39℃台の発熱を認め近医よりCAMを処方された.翌年1月19日,心雑音の出現を認め紹介となった. CRP 5.271 mg/dL,WBC 9700/mm3と炎症反応上昇,心エコーにてMR:Ⅲ〜Ⅳ度,明らかな疣贅.胸部X線上,心不全は認めず.GRNXを処方し帰宅となる.1月23日,下腿浮腫増悪にて受診.心エコー上,MR:Ⅳ度,P2に11 mmの疣贅を認めたことより,感染性心内膜炎,うっ血性心不全の診断にて入院となった.心不全は,カルペリチドを含む利尿薬投与により軽快.入院時の血液培養検査は陰性であったが,入院時施行した血液培養検査よりサブカルチャーを行い炭酸ガス培養にて第26病日にS. aureusの衛星現象としてGranulicatella elegansが同定された. 感染性心内膜炎に対し,第1〜29病日:SBT/ABPC 12 mg,GM 180 mg,第30〜42病日:SBT/ABPC 12 mg,MEPM 1 g,第43〜76病日:CTRX 2 g,第77病日,併診していた歯科治療の終了に伴いCFPN-PI 300 mgを処方し退院となった.第91病日,僧帽弁形成術が施行された. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.48.1306 |