B-18 治療に難渋した妊娠合併静脈血栓塞栓症の2症例

「はじめに」静脈血栓塞栓症(Venous thromboembolism;VTE)は妊産婦死亡の原因となる代表的な疾患である. 妊娠中は血液凝固能亢進, 線溶能低下, 女性ホルモンによる静脈平滑筋弛緩, 増大した妊娠子宮による静脈の圧迫, 出産時の臥床などにより静脈内血栓が生じやすくなっている. また, 妊娠時では非妊娠時と比較し使用可能な薬剤が減ることや, 放射線による胎児被ばくの問題が周産期のVTEの診断と治療を困難にしている. 今回, 治療に難渋した妊娠合併VTEの2症例を経験した. 抗凝固療法の方法と下大静脈(Inferior Vena Cava;IVC)フィルターの適応も含め考察する...

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Veröffentlicht in:心臓 2016-07, Vol.48 (7), p.878-882
Hauptverfasser: 古賀将史, 辻明宏, 上田仁, 福井重文, 大郷剛, 大門篤史, 佐藤浩, 釣谷充弘, 岩永直子, 根木玲子, 吉松淳, 中西宜文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」静脈血栓塞栓症(Venous thromboembolism;VTE)は妊産婦死亡の原因となる代表的な疾患である. 妊娠中は血液凝固能亢進, 線溶能低下, 女性ホルモンによる静脈平滑筋弛緩, 増大した妊娠子宮による静脈の圧迫, 出産時の臥床などにより静脈内血栓が生じやすくなっている. また, 妊娠時では非妊娠時と比較し使用可能な薬剤が減ることや, 放射線による胎児被ばくの問題が周産期のVTEの診断と治療を困難にしている. 今回, 治療に難渋した妊娠合併VTEの2症例を経験した. 抗凝固療法の方法と下大静脈(Inferior Vena Cava;IVC)フィルターの適応も含め考察する. 「症例1」患者:28歳, 女性(妊娠12週) 主訴:労作時呼吸困難感, 失神 既往歴:特記事項なし 2経妊1経産 前回出産時に特記すべき異常なし 家族歴:兄 潰瘍性大腸炎 生活社会歴:喫煙 なし 飲酒 なし
ISSN:0586-4488