大動脈外科治療の戦略
「はじめに」大動脈病変を有する患者が年々増加し, 2010年の日本胸部外科学会および日本血管外科学会学術調査によると, 本邦で約12,000例の胸部大動脈手術, 8,500例の腹部大動脈手術が行われました. 大動脈基部・弁輪拡張症には従来, 弁付き人工血管を使用したBentall術式が行われてきましたが, 人工弁の合併症が問題です. 大動脈弁温存, 基部置換術の適応は, 弁尖が解剖学的に正常な症例で, 特に, 若年者や挙児希望の女性などに奨められる術式です. 高度の大動脈弁逆流を有する症例や弁尖逸脱をきたしている症例にも大動脈弁形成術を追加することで自己弁温存が可能です. また, 大動脈二尖弁...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2015, Vol.47(8), pp.1031-1037 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」大動脈病変を有する患者が年々増加し, 2010年の日本胸部外科学会および日本血管外科学会学術調査によると, 本邦で約12,000例の胸部大動脈手術, 8,500例の腹部大動脈手術が行われました. 大動脈基部・弁輪拡張症には従来, 弁付き人工血管を使用したBentall術式が行われてきましたが, 人工弁の合併症が問題です. 大動脈弁温存, 基部置換術の適応は, 弁尖が解剖学的に正常な症例で, 特に, 若年者や挙児希望の女性などに奨められる術式です. 高度の大動脈弁逆流を有する症例や弁尖逸脱をきたしている症例にも大動脈弁形成術を追加することで自己弁温存が可能です. また, 大動脈二尖弁に対しても積極的に行われており, その成績は良好です. 弓部大動脈手術の成績は良好で, 優秀な施設では早期死亡率3%, 脳障害発生率も3%と報告されています. 体外循環中に脳塞栓症を惹起しないよう, 送血路は, 大腿動脈からの逆行性送血を避け, 上行大動脈から順行性送血を行います. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.47.1031 |