血管内イメージングの新たな展開
近年における血管内イメージングの進歩は目覚ましく, それらを用いた日常診療における冠動脈病変診断や冠動脈インターベンションのガイドとしての有用性と選択幅の広がりには驚嘆する. また, 画像の保存・再生技術の進歩も相まって, 診断価値の高い画像を3次元や複数の診断法を統合した複合画像の動画として提示することも容易となってきている. 血管内超音波(IVUS)では, 高周波(60MHz)を用いたhigh-definition IVUSが開発され, 軸方向の解像度の改善が期待され, 光干渉断層法(OCT)の解像度に迫ろうとしている. OCTでは新たにangio-co-registrationの開発や3...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2015, Vol.47(7), pp.781-781 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年における血管内イメージングの進歩は目覚ましく, それらを用いた日常診療における冠動脈病変診断や冠動脈インターベンションのガイドとしての有用性と選択幅の広がりには驚嘆する. また, 画像の保存・再生技術の進歩も相まって, 診断価値の高い画像を3次元や複数の診断法を統合した複合画像の動画として提示することも容易となってきている. 血管内超音波(IVUS)では, 高周波(60MHz)を用いたhigh-definition IVUSが開発され, 軸方向の解像度の改善が期待され, 光干渉断層法(OCT)の解像度に迫ろうとしている. OCTでは新たにangio-co-registrationの開発や3次元画像の改良・動脈硬化組織のカラー表示法の開発などが期待されている. それぞれの検査法には長所・短所があり, 現状では各検査法の利点を活かして, 冠動脈疾患の病態をより短時間に, より確実に診断できるように検査法を選択することが肝要であるが, 複数の診断法の長所を活かして, 統合した融合画像を表示する診断装置も模索されている. なかでも, 近赤外線スペクトロスコピーを用いて血管壁脂質成分を表示できるnear infrared spectroscopy (NIRS)所見をIVUS画像と同時に表示し, 脂質成分の空間分布を表示できるNIRS-IVUSは, 認可されたばかりで, 今後の臨床応用が期待されている. さらには, IVUSの深達度とOCTの解像度という両者の長所を生かしたIVUS-OCTカテーテルの開発やNIRSとOCTとを融合させたNIRS-OCTの研究・開発も進んでいる. また, 血管内イメージングと機能評価とのコンビネーション診断画像の発展も期待されている. 本特集では, とりわけ最近に開発・臨床使用された血管内イメージングを中心に, エキスパートの先生方にそれらの有用性と将来性に関して記載していただいた. 本特集が読者の先生方の明日からの日常臨床に有益であれば幸いである. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.47.781 |