左主幹部急性心筋梗塞による院外心停止に対しextracorporeal CPR (ECPR), 低体温療法を同時に導入し社会復帰に至った1例
41歳, 男性. 胸痛, 冷汗が出現しトイレに行った直後に虚脱した. 救急隊接触時には心肺停止状態で心肺蘇生法が開始された. 初期調律は心室細動で電気的除細動が施行され, 無脈性電気活動へ変化した状態で当院に到着した. 来院後も心拍は再開せず虚脱から42分後に経皮的心肺補助 (PCPS) と低体温療法 (34±0.5°C, 24時間) を導入した. 緊急冠動脈造影で左冠動脈主幹部急性心筋梗塞 (LMT-AMI) と診断し, 経皮的冠動脈インターベンションを施行した. 虚脱から再灌流は95分で再灌流時の膀胱温は33.1°Cであった. 最終の血管造影ではTIMI3の血流が得られ, 血清クレアチンキ...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2015, Vol.47(6), pp.739-744 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 41歳, 男性. 胸痛, 冷汗が出現しトイレに行った直後に虚脱した. 救急隊接触時には心肺停止状態で心肺蘇生法が開始された. 初期調律は心室細動で電気的除細動が施行され, 無脈性電気活動へ変化した状態で当院に到着した. 来院後も心拍は再開せず虚脱から42分後に経皮的心肺補助 (PCPS) と低体温療法 (34±0.5°C, 24時間) を導入した. 緊急冠動脈造影で左冠動脈主幹部急性心筋梗塞 (LMT-AMI) と診断し, 経皮的冠動脈インターベンションを施行した. 虚脱から再灌流は95分で再灌流時の膀胱温は33.1°Cであった. 最終の血管造影ではTIMI3の血流が得られ, 血清クレアチンキナーゼおよびMB分画のピーク値はそれぞれ1957U/L, 297.8ng/mLであった. 術後も血行動態は不安定で心不全コントロールに難渋したが, 第6病日より自己血圧が安定するようになり, 第10病日にPCPSから離脱した. 高次脳機能障害はあるも意思疎通は可能で第43病日に転院し, 6カ月後のフォローアップの時点で仕事に復帰していた. LMT-AMIは極めて重篤な病態であるが, その死亡原因の多くは広範な心筋障害によるポンプ失調であり, 早期に再灌流療法を施行しても救命することは難しい. 以前より, 心筋梗塞患者の梗塞範囲縮小の手段の1つとして低体温療法が注目されており, 近年, 限定的ではあるが再灌流療法前からの低体温療法導入の有効性が報告されている. 本例でも早期からの低体温療法の導入が心筋に対しても保護的に働いた可能性があり, 文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.47.739 |