心房中隔欠損症を合併したデュシェンヌ型筋ジストロフィーの1例
症例は24歳, 男性. 生下時に心房中隔欠損症, 5歳時にデュシェンヌ型筋ジストロフィーと診断された. 心房中隔欠損症の手術を勧められたが両親が同意せず, 経過観察されていた. ステロイド薬の治療歴はない. 16歳時よりアンジオテンシン変換酵素阻害薬, β遮断薬, 利尿薬による治療を行っている. 24歳時の心エコーで心房中隔欠損症の左右シャントによる右室の拡大, 心室中隔の扁平化を認めたが, 拡張型心筋症は認めなかった. 22歳のデュシェンヌ型筋ジストロフィーの弟は心エコーで左室の著明な拡大と壁運動低下を認めた. デュシェンヌ型筋ジストロフィーは10歳代で心機能障害が顕在化することが多い. 本...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2015, Vol.47(5), pp.610-614 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は24歳, 男性. 生下時に心房中隔欠損症, 5歳時にデュシェンヌ型筋ジストロフィーと診断された. 心房中隔欠損症の手術を勧められたが両親が同意せず, 経過観察されていた. ステロイド薬の治療歴はない. 16歳時よりアンジオテンシン変換酵素阻害薬, β遮断薬, 利尿薬による治療を行っている. 24歳時の心エコーで心房中隔欠損症の左右シャントによる右室の拡大, 心室中隔の扁平化を認めたが, 拡張型心筋症は認めなかった. 22歳のデュシェンヌ型筋ジストロフィーの弟は心エコーで左室の著明な拡大と壁運動低下を認めた. デュシェンヌ型筋ジストロフィーは10歳代で心機能障害が顕在化することが多い. 本症例は心房中隔欠損症を合併したことにより左室の拡張型心筋症を免れた可能性が考えられ, 拡張型心筋症の発症, 進行に左室前負荷が関与することが示唆された. また, 利尿薬を含む心保護治療を早期から開始したことも心筋症発症を抑制した可能性がある. 本症例の経過から, デュシェンヌ型筋ジストロフィーの拡張型心筋症に対し, 早期からの左室前負荷軽減治療が有効である可能性が考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.47.610 |