4 高齢者の高血圧

「はじめに」超高齢化社会を迎え, 2011年における65歳以上の人口の割合は, 23.3%, 75歳以上は11.5%といわれている. 高齢者の65～74歳の66%, 75歳以上の80%が高血圧に罹患しているといわれており, 高齢者高血圧に対する, 適切な治療指針が求められている. 高齢者は併存疾患がさまざまであり, 個々の全身状態を加味した降圧目標や薬剤選択が必要である. さらに高齢者にとってはQuality of LifeやActivity of daily livingは重要であり, 健康な生活を維持することを考慮した治療介入が必要である. 「高齢者の定義」世界的に高齢者とは, 65歳以上の成人を意味している. 老年学においては75歳未満をyoung-old, 75～84歳をold-old, 85歳以上をoldest-oldと表され, さらにわが国では75歳未満を前期高齢者, 75歳以上を後期高齢者と表現している.