代謝-免疫連携による恒常性の維持と病態

「生活習慣病の背景にある臓器連関と慢性炎症」 ライフスタイルの変化(過食, 食事中脂質の増加, 運動不足)や高齢化に伴い, 糖尿病を始めとする生活習慣病は増加している. また, 生活習慣病患者の特徴として, 複数疾患の合併があり, その結果としてさらに医療・社会的負担が増大する. 複数臓器の機能異常の併発は, 何らかの臓器間の相互作用により, 病態が拡大していることを強く示唆する. 例えば, 慢性腎臓病(CKD)が心不全や心筋梗塞等の循環器疾患の重大なリスクとなることから, 心疾患と腎疾患との密接な関連(心腎連関)が注目を集めている. 一方, 肥満や糖尿病も心不全やCKDのリスクを増加させるこ...

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Veröffentlicht in:心臓 2015, Vol.47(2), pp.237-242
1. Verfasser: 真鍋, 一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「生活習慣病の背景にある臓器連関と慢性炎症」 ライフスタイルの変化(過食, 食事中脂質の増加, 運動不足)や高齢化に伴い, 糖尿病を始めとする生活習慣病は増加している. また, 生活習慣病患者の特徴として, 複数疾患の合併があり, その結果としてさらに医療・社会的負担が増大する. 複数臓器の機能異常の併発は, 何らかの臓器間の相互作用により, 病態が拡大していることを強く示唆する. 例えば, 慢性腎臓病(CKD)が心不全や心筋梗塞等の循環器疾患の重大なリスクとなることから, 心疾患と腎疾患との密接な関連(心腎連関)が注目を集めている. 一方, 肥満や糖尿病も心不全やCKDのリスクを増加させることが知られており, 心不全も心臓の問題だけで生じる疾患ではなく, さまざまな病態や臓器障害の累積の一つの表れであると捉えることもできるだろう. 心腎連関や心腎症候群(Cardiorenal syndrome)の概念は, 心血管疾患と腎疾患を一体として, メタボリックシンドロームあるいは心血管代謝症候群(Cardiometabolic syndrome)は, 心血管疾患と代謝疾患を一体として理解しようとするものである.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.47.237