巨大拡張した特発性肺動脈拡張症の1例
症例は80歳, 男性. 労作時胸部不快感を主訴に近医を受診し, 冠動脈CT検査で冠動脈左前下行枝に狭窄が疑われたため, 当科に紹介受診となった. 冠動脈造影上, 有意狭窄は認めなかった. 紹介元のCT画像にて瘤状に拡張した肺動脈を認めたため, Swan-Ganzカテーテル検査を実施した. 肺高血圧や左右シャントは認めず, さらに梅毒などの感染症の罹患なく, ベーチェット病などを疑わせる症状ないため, 特発性肺動脈拡張症と診断した. 肺動脈拡張症の症状は認めず, 過去のCT検査所見と比較し, 拡大傾向にないことを確認し, 経過観察とした. 特発性肺動脈拡張症について治療方針は確立しておらず, 拡...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2015, Vol.47(2), pp.212-216 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は80歳, 男性. 労作時胸部不快感を主訴に近医を受診し, 冠動脈CT検査で冠動脈左前下行枝に狭窄が疑われたため, 当科に紹介受診となった. 冠動脈造影上, 有意狭窄は認めなかった. 紹介元のCT画像にて瘤状に拡張した肺動脈を認めたため, Swan-Ganzカテーテル検査を実施した. 肺高血圧や左右シャントは認めず, さらに梅毒などの感染症の罹患なく, ベーチェット病などを疑わせる症状ないため, 特発性肺動脈拡張症と診断した. 肺動脈拡張症の症状は認めず, 過去のCT検査所見と比較し, 拡大傾向にないことを確認し, 経過観察とした. 特発性肺動脈拡張症について治療方針は確立しておらず, 拡張した肺動脈に解離が生じた症例報告もあるため, 症状の有無や心臓超音波検査による右心機能評価, CT検査による拡大傾向の有無など定期での観察が必要と考える. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.47.212 |