肥満心筋症による重症心不全を呈した若年高度肥満の1例

症例は28歳男性. 脳梗塞を発症し当院脳外科に入院となった. 入院時体重168kg (BMI 57.1) の高度肥満であり, 呼吸困難で仰臥位になれず. 全身麻酔下に頭部CT撮影された. 覚醒, 抜管後より心不全状態からショックとなり心肺蘇生法 (CPR), 経皮的心肺補助装置 (PCPS) 挿入により救命された. 心エコー図上, 左室拡張末期径 (LVDd) 77mm, 左室駆出率 (LVEF) 21%と左室内腔拡大を伴うびまん性の高度壁運動低下を認めた. 冠動脈造影検査では異常所見を認めず. 心臓リハビリテーションと食事療法 (1300kcal/日) により2カ月で体重112kgまで減量し...

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Veröffentlicht in:心臓 2014, Vol.46(10), pp.1360-1366
Hauptverfasser: 木村, 俊之, 清水, 紀宏, 吉谷, 敬, 松谷, 健一, 平林, 高之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は28歳男性. 脳梗塞を発症し当院脳外科に入院となった. 入院時体重168kg (BMI 57.1) の高度肥満であり, 呼吸困難で仰臥位になれず. 全身麻酔下に頭部CT撮影された. 覚醒, 抜管後より心不全状態からショックとなり心肺蘇生法 (CPR), 経皮的心肺補助装置 (PCPS) 挿入により救命された. 心エコー図上, 左室拡張末期径 (LVDd) 77mm, 左室駆出率 (LVEF) 21%と左室内腔拡大を伴うびまん性の高度壁運動低下を認めた. 冠動脈造影検査では異常所見を認めず. 心臓リハビリテーションと食事療法 (1300kcal/日) により2カ月で体重112kgまで減量し, LVEF 42%まで改善した. 心筋生検では心筋細胞の肥大を認め, 臨床所見と合わせていわゆる肥満心筋症が考えられた. 本症例では閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) を合併しており, 減量と持続陽圧呼吸療法 (CPAP) 導入が心不全の改善に著効したと考える.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.1360