非閉塞性肥大型心筋症に冠攣縮性狭心症を合併し心室細動をきたした1例
78歳, 女性. 2012年8月X日早朝自宅で突然意識を消失し, 自動体外式除細動器 (automated external defibrillator ; AED) で心室細動が認められたため, 電気的除細動を行い洞調律に復帰した. 当院来院時の心電図は左室肥大パターンで, 心胸郭比59%であった. 洞調律復帰後も意識障害が残存していたため挿管, 人工呼吸器管理とし, Arctic Sun®による低体温療法を施行したところ意識清明となった. 心臓カテーテル検査では冠動脈に有意狭窄はなく, アセチルコリン負荷試験にて冠攣縮が誘発されたため冠攣縮性狭心症 (VSA) と診断した. また経胸壁心エ...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2014, Vol.46(9), pp.1255-1260 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 78歳, 女性. 2012年8月X日早朝自宅で突然意識を消失し, 自動体外式除細動器 (automated external defibrillator ; AED) で心室細動が認められたため, 電気的除細動を行い洞調律に復帰した. 当院来院時の心電図は左室肥大パターンで, 心胸郭比59%であった. 洞調律復帰後も意識障害が残存していたため挿管, 人工呼吸器管理とし, Arctic Sun®による低体温療法を施行したところ意識清明となった. 心臓カテーテル検査では冠動脈に有意狭窄はなく, アセチルコリン負荷試験にて冠攣縮が誘発されたため冠攣縮性狭心症 (VSA) と診断した. また経胸壁心エコー図では左室前壁中隔と心尖部に非対称性壁肥厚 (ASH) がみられ, 心臓MRIではガドリニウム遅延造影にて左室中隔基部から中部にかけて遅延造影所見を認めた. 運動負荷経胸壁心エコー図では左室流出路狭窄は認めなかったことから, 非閉塞性肥大型心筋症 (NHCM, Maron3+5型) と診断し, アミオダロンの内服を開始して植込み型除細動器 (implantable cardioverter defibrillator ; ICD) の植え込みを行った. 非閉塞性肥大型心筋症は一般的に予後良好とされているが, 本症例では心筋線維化 (不整脈源性器質) に冠攣縮による虚血が関与して心室細動を発症したと推測された. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.1255 |