若年発症の静脈血栓塞栓症に関与したと考えられる膝窩静脈捕捉症候群の1例
症例は36歳男性. 左下腿の腫脹および疼痛が出現し当院を受診した. 下肢静脈超音波検査および肺動脈・下肢造影CTで, 左下肢と左肺動脈に血栓像を認め, 深部静脈血栓症による非広範型の急性肺血栓塞栓症と診断した. 原因検索のため行った下肢静脈超音波検査の再検と下肢MRI検査上, 足関節底屈時に左膝窩静脈が腓腹筋内側頭によって圧迫される所見を認め, 左膝窩静脈捕捉症候群と診断した. 膝窩静脈捕捉症候群は, 他の血栓素因が加わった場合に静脈血栓塞栓症を発症する場合があるといわれているが, 鑑別診断として念頭に置かないと見逃してしまう可能性がある. 今後, 若年者で原因不明の静脈血栓塞栓症を認めた場合...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2014, Vol.46(8), pp.1122-1127 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は36歳男性. 左下腿の腫脹および疼痛が出現し当院を受診した. 下肢静脈超音波検査および肺動脈・下肢造影CTで, 左下肢と左肺動脈に血栓像を認め, 深部静脈血栓症による非広範型の急性肺血栓塞栓症と診断した. 原因検索のため行った下肢静脈超音波検査の再検と下肢MRI検査上, 足関節底屈時に左膝窩静脈が腓腹筋内側頭によって圧迫される所見を認め, 左膝窩静脈捕捉症候群と診断した. 膝窩静脈捕捉症候群は, 他の血栓素因が加わった場合に静脈血栓塞栓症を発症する場合があるといわれているが, 鑑別診断として念頭に置かないと見逃してしまう可能性がある. 今後, 若年者で原因不明の静脈血栓塞栓症を認めた場合, 膝窩静脈捕捉症候群の可能性も考慮して診断を進めるべきと考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.1122 |