4 弁形成困難例に対する自己心膜を用いた拡大僧帽弁形成術

「はじめに」僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対する僧帽弁形成術(MVP)は急速に普及しており, 日本胸部外科学会の報告によれば, 僧帽弁形成術は1997年から2007年の間に31%から52%に増加を示している. 2006年に改訂されたACC/AHAガイドラインには, 非虚血性の高度のMRに対する手術の推奨のクラスIとして, 「慢性の高度のMR症例の大多数において, 僧帽弁置換術(MVR)よりもMVPが推奨され, 患者はMVPの経験豊富な外科センターに送られるべきである」と書かれている. わが国におけるMVP手術数の急速な増加は, 経験豊富なセンターにおいてのみみられる現象ではなく, これまでMVR中...

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Veröffentlicht in:心臓 2014-08, Vol.46 (8), p.1066-1070
Hauptverfasser: 加瀬川均, 福井寿啓, 高梨秀一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対する僧帽弁形成術(MVP)は急速に普及しており, 日本胸部外科学会の報告によれば, 僧帽弁形成術は1997年から2007年の間に31%から52%に増加を示している. 2006年に改訂されたACC/AHAガイドラインには, 非虚血性の高度のMRに対する手術の推奨のクラスIとして, 「慢性の高度のMR症例の大多数において, 僧帽弁置換術(MVR)よりもMVPが推奨され, 患者はMVPの経験豊富な外科センターに送られるべきである」と書かれている. わが国におけるMVP手術数の急速な増加は, 経験豊富なセンターにおいてのみみられる現象ではなく, これまでMVR中心であった施設においても, MVPが標準術式として行われるようになってきているものと思われる. その背景には, 術中経食道法の普及, 手術成績の向上, 安定化がある. 一方, 経験豊富な外科センターからの, 遠隔期エコー評価の報告を見ると, 遠隔期におけるMRの再発が, 特に前尖逸脱を伴った症例において少なくないことが明らかになっている.
ISSN:0586-4488