1 人工腱索再建を軸とした僧帽弁形成

「弁尖切除から人工腱索再建へ」僧帽弁形成術が一般的に行われ, 経験豊かな施設であれば100%近い弁形成完遂率を達成するようになった現在, 僧帽弁形成術をいかにシンプルで有効で長持ちさせるか, どの術式が最も適切かという点に外科医の関心が集中している. ePTFE縫合糸であるGore-Tex sutures(W.L. Gore & Associates, Inc)を用いた人工腱索再建はTirone Davidが1989年に発表した手技である. この術式はVetterらの実験結果を踏まえ, 人工腱索の材料としてePTFEが最も適しているという科学的根拠を持っている. 以来, 人工腱索再建は...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 2014-08, Vol.46 (8), p.1050-1053
Hauptverfasser: 岡本一真, 工藤樹彦, 四津良平
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「弁尖切除から人工腱索再建へ」僧帽弁形成術が一般的に行われ, 経験豊かな施設であれば100%近い弁形成完遂率を達成するようになった現在, 僧帽弁形成術をいかにシンプルで有効で長持ちさせるか, どの術式が最も適切かという点に外科医の関心が集中している. ePTFE縫合糸であるGore-Tex sutures(W.L. Gore & Associates, Inc)を用いた人工腱索再建はTirone Davidが1989年に発表した手技である. この術式はVetterらの実験結果を踏まえ, 人工腱索の材料としてePTFEが最も適しているという科学的根拠を持っている. 以来, 人工腱索再建は前尖逸脱病変に対する僧帽弁形成術の基本手技として使用されてきたが, 後尖逸脱病変に対してはCarpentierによる逸脱弁尖の切除を軸にした手法が僧帽弁形成の基本とされる中, 劇的には普及しなかった.
ISSN:0586-4488