S-1. 東京都CCUネットワークにおける急性肺塞栓症の予後と血液生化学検査所見との関連

「はじめに」急性肺塞栓症の急性期死亡率は7.9~14%と報告され, 特に肺血管床の閉塞範囲が大きく心拍出量の低下からショックを呈した広範型肺塞栓(massive type)や循環虚脱を呈したもの(Collapse type)は予後が悪いことが知られている. 東京都CCUネットワークの集計調査での重症度別の院内死亡率は, non-massive 4%, sub-massive 7%, massive 23%, collapse 70%と重症度が高いほど死亡率は高率であった. このように, 循環不全を呈した症例の死亡率は高いことは明らかであるが, 発症時には循環動態の安定しているnon-massi...

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Veröffentlicht in:心臓 2014, Vol.46(7), pp.1033-1037
Hauptverfasser: 田邉, 康宏, 尾林, 徹, 山本, 剛, 高山, 守正, 長尾, 建
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」急性肺塞栓症の急性期死亡率は7.9~14%と報告され, 特に肺血管床の閉塞範囲が大きく心拍出量の低下からショックを呈した広範型肺塞栓(massive type)や循環虚脱を呈したもの(Collapse type)は予後が悪いことが知られている. 東京都CCUネットワークの集計調査での重症度別の院内死亡率は, non-massive 4%, sub-massive 7%, massive 23%, collapse 70%と重症度が高いほど死亡率は高率であった. このように, 循環不全を呈した症例の死亡率は高いことは明らかであるが, 発症時には循環動態の安定しているnon-massive, sub-massive typeでも比較的高い死亡率を有しているため, 血行動態以外にどのような症例の予後が悪くより集学的な治療を要するかを予測する指標が望まれる. 欧米からは, 肺塞栓症の予後や有害事象の予測因子として, 心筋トロポニン, H-FABP, BNP, NT-Pro-BNP, 血糖などの血液生化学マーカーの有用性が報告されているが本邦を含むアジアからの報告は乏しく, 日常臨床においても血液生化学マーカーは十分に活用されていない.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.1033