B-17. 帝王切開後に肺塞栓, 脳梗塞を発症した症例

症例は31歳女性. 出産日予定超過にて陣痛誘発するも分娩停止にて帝王切開施行された. 帝王切開後1日目の離床時に右上下肢麻痺, 呼吸困難を認めた. 原因精査のため脳MRI, 造影CTを施行. 脳MRIにて右中大脳動脈部領域の脳梗塞, 造影CTにて肺塞栓, 腎塞栓を同時に発症していたため当院転院となる. 転院時に肺塞栓に対してヘパリンによる抗凝固療法, 脳梗塞に対してエダラボン注射剤を開始されていた. 当院にて急性期の経食道超音波検査では, 右心系の拡大, 卵円孔開存が確認され, 肺塞栓および奇異性脳梗塞を発症したと考え, 引き続き抗凝固療法を継続した. 幸い経過にて後脳梗塞の後遺症はなく肺塞栓...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 2014, Vol.46(7), pp.1025-1025
Hauptverfasser: 眞鍋, 憲市, 妹尾, 健, 山本, 哲史, 塩島, 一朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は31歳女性. 出産日予定超過にて陣痛誘発するも分娩停止にて帝王切開施行された. 帝王切開後1日目の離床時に右上下肢麻痺, 呼吸困難を認めた. 原因精査のため脳MRI, 造影CTを施行. 脳MRIにて右中大脳動脈部領域の脳梗塞, 造影CTにて肺塞栓, 腎塞栓を同時に発症していたため当院転院となる. 転院時に肺塞栓に対してヘパリンによる抗凝固療法, 脳梗塞に対してエダラボン注射剤を開始されていた. 当院にて急性期の経食道超音波検査では, 右心系の拡大, 卵円孔開存が確認され, 肺塞栓および奇異性脳梗塞を発症したと考え, 引き続き抗凝固療法を継続した. 幸い経過にて後脳梗塞の後遺症はなく肺塞栓も改善され, その後は外来にて抗凝固療法を維持していた. 34歳時に第2子希望されたため抗凝固療法(ワーファリンカリウム)の継続が困難であり卵円孔開存に対してAmplatzer PFO閉鎖デバイスによる閉鎖術を選択した. 閉鎖術は抗血小板薬の内服をしばらく内服したが中止後に第2子妊娠されその後合併症なく出産された. 本症例は妊娠を契機に深部静脈血栓を生じその後帝王切開後に急性肺塞栓症を発症し, 右心系の圧上昇に伴い卵円孔を通って左心系に血栓が流出し, 奇異性脳梗塞をきたしたと考えられた. その後第2子を希望されたため抗凝固療法の維持が困難であり卵円孔開存に対してAmplatzer PFO閉鎖デバイスを用いた卵円孔閉鎖術を施行し無事に妊娠, 出産できた貴重な症例を経験したので報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.1025