ウロキナーゼの心嚢内投与が奏効した化膿性心外膜炎の1例
症例は64歳女性. 慢性腎不全に対し2012年9月上旬に透析導入となるも, 中旬から発熱を呈し, 当科紹介前まで抗菌薬治療が行われていた. 10月上旬になり発作性心房細動が出現したため循環器科に紹介された. 慎重に経過を観察していたが, 増加する心嚢液貯留と心嚢内に増大する海綿状の構造物を認めるようになり, また心嚢液が膿血性となりメチシリン感受性黄色ブドウ球菌を検出したため, 化膿性心外膜炎と診断した. 診断当日からセファゾリンの静注投与, 心嚢ドレーン留置, また第17病日から20病日までウロキナーゼの心嚢内投与を施行した (投与量は第17病日 : 12万単位, 第18病日と第19病日 :...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2014, Vol.46(7), pp.936-943 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は64歳女性. 慢性腎不全に対し2012年9月上旬に透析導入となるも, 中旬から発熱を呈し, 当科紹介前まで抗菌薬治療が行われていた. 10月上旬になり発作性心房細動が出現したため循環器科に紹介された. 慎重に経過を観察していたが, 増加する心嚢液貯留と心嚢内に増大する海綿状の構造物を認めるようになり, また心嚢液が膿血性となりメチシリン感受性黄色ブドウ球菌を検出したため, 化膿性心外膜炎と診断した. 診断当日からセファゾリンの静注投与, 心嚢ドレーン留置, また第17病日から20病日までウロキナーゼの心嚢内投与を施行した (投与量は第17病日 : 12万単位, 第18病日と第19病日 : 36万単位, 第20病日 : 12万単位). 完全な排液を確認後, 11月上旬にドレーンを抜去し, 抗菌薬投与は11月下旬に終了, その後, 胸水の改善を待って12月下旬に退院し, 現在にいたるまで化膿性心外膜炎の再燃も収縮性心外膜炎の合併もなく経過している. 化膿性心外膜炎という稀かつ致死的な疾患を経験し, ウロキナーゼ投与により良好な予後に寄与したと思われたため, 文献考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.936 |