2 室温安定型エポプロステノールへ切り替えた高用量エポプロステノール療法施行中の遺伝性肺動脈性肺高血圧症の1例

「はじめに」重症肺動脈性肺高血圧症の治療において, エポプロステノール(PGI2)持続静注療法は, 長期生命予後の改善を得る標準的治療法として確立され, その使用症例は増加傾向にある. 2013年6月末日, 室温安定型のPGI2が本邦で使用可能となった. 冷却ポーチが不要となるため, 従来製品からの切り替えや新規導入に使用されることが増加してきているが, 100ng/kg/分を超える高用量のPGI2使用症例における切り替えの報告は存在しない. 今回, 高用量PGI2持続静注療法を施行中の症例にて, 室温安定型PGI2への切り替えを経験したため報告する. 「症例」肺高血圧症の家族歴をもつ肺動脈性...

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Veröffentlicht in:心臓 2014-06, Vol.46 (6), p.805-806
Hauptverfasser: 會田悦久, 須知太郎, 村上祐介, 伊藤勝宣, 葛西智徳, 大西基喜
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「はじめに」重症肺動脈性肺高血圧症の治療において, エポプロステノール(PGI2)持続静注療法は, 長期生命予後の改善を得る標準的治療法として確立され, その使用症例は増加傾向にある. 2013年6月末日, 室温安定型のPGI2が本邦で使用可能となった. 冷却ポーチが不要となるため, 従来製品からの切り替えや新規導入に使用されることが増加してきているが, 100ng/kg/分を超える高用量のPGI2使用症例における切り替えの報告は存在しない. 今回, 高用量PGI2持続静注療法を施行中の症例にて, 室温安定型PGI2への切り替えを経験したため報告する. 「症例」肺高血圧症の家族歴をもつ肺動脈性肺高血圧症の女性, 30歳で症状出現, 約半年後に診断にいたった. 診断時の平均肺動脈圧は62mmHg, PGI2持続静注療法を提示したが, 家庭の事情などもあり内服薬による加療を希望された. シルデナフィルおよびベラプロストナトリウム徐放製剤では自覚症状は改善せず, 右心不全症状が徐々に悪化したこともあり, 内服治療開始の約半年後にPGI2持続静注療法の開始にいたった.
ISSN:0586-4488