心臓核医学検査にて心筋ミトコンドリア機能異常を認めたミトコンドリア脳筋症の1例
症例は35歳男性. 2005年 (29歳時) に意識消失, 痙攣重積発作のため他院入院となった. 2008年 (33歳時) 12月に痙攣発作が再度出現し, ウイルス性脳炎を疑われ, 他院再入院. 頭部MRIにて血管支配領域に一致しない広範な梗塞巣を認め, 血清乳酸値が異常高値を示したことから, ミトコンドリア脳筋症が疑われた. 2009年 (34歳時) 2月に精査目的で当院神経内科に紹介受診となり, 来院時の血液検査による遺伝子検査においてミトコンドリア遺伝子3243点変異を認め, Mitochondrial myopathy, Encephalopathy, Lactic acidosis...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2014, Vol.46(5), pp.629-636 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は35歳男性. 2005年 (29歳時) に意識消失, 痙攣重積発作のため他院入院となった. 2008年 (33歳時) 12月に痙攣発作が再度出現し, ウイルス性脳炎を疑われ, 他院再入院. 頭部MRIにて血管支配領域に一致しない広範な梗塞巣を認め, 血清乳酸値が異常高値を示したことから, ミトコンドリア脳筋症が疑われた. 2009年 (34歳時) 2月に精査目的で当院神経内科に紹介受診となり, 来院時の血液検査による遺伝子検査においてミトコンドリア遺伝子3243点変異を認め, Mitochondrial myopathy, Encephalopathy, Lactic acidosis and Stroke-like episodes (MELAS) の診断にいたった. 2010年 (35歳時) 10月, 神経内科入院中にモニター心電図にて非持続性心室頻拍出現し, 当科にて各種心臓精査施行した. 心臓超音波検査で左室収縮能の低下はなく, 心臓MRIでも遅延造影を認めなかったが, 99mTc-sestamibi安静心筋シンチグラフィでは, 99mTc-sestamibiの洗い出し率が49%と, 明らかに亢進していた. 心臓核医学検査では, 心臓超音波検査や心臓造影MRIなどで捉えることのできない心筋の細胞レベルでの機能異常を反映すると考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.629 |