水野論文に対するEditorial Comment

冠動脈硬化が病因の主体をなす急性心筋梗塞は一般的に壮年期以降に発症する. しかし, 最近, 35~40歳未満の若年者においても増加しているとされ, この原因としては本邦の若年者においても肥満に加え耐糖能異常, 高中性脂肪血症, 低HDL-C血症, 高血圧, 高LDL-C血症などの複数のリスク因子を高率に保有するようになったことなどがあげられる. 実際, 若年成人(平均年齢30~34歳)760例の剖検結果では男性は20%に, 女性でも8%に冠動脈疾患が認められており, 冠動脈硬化の素地はすでに若年期より始まると報告されている. 一般に若年者の心筋梗塞症では短期予後は良好であるが, 長期予後に関し...

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Veröffentlicht in:心臓 2013/08/15, Vol.45(8), pp.980-981
1. Verfasser: 木村, 一雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:冠動脈硬化が病因の主体をなす急性心筋梗塞は一般的に壮年期以降に発症する. しかし, 最近, 35~40歳未満の若年者においても増加しているとされ, この原因としては本邦の若年者においても肥満に加え耐糖能異常, 高中性脂肪血症, 低HDL-C血症, 高血圧, 高LDL-C血症などの複数のリスク因子を高率に保有するようになったことなどがあげられる. 実際, 若年成人(平均年齢30~34歳)760例の剖検結果では男性は20%に, 女性でも8%に冠動脈疾患が認められており, 冠動脈硬化の素地はすでに若年期より始まると報告されている. 一般に若年者の心筋梗塞症では短期予後は良好であるが, 長期予後に関しては左室リモデリングによる心機能低下, 心不全の発生や冠動脈イベントの再発などにより必ずしも良いわけではない1). このため, 急性心筋梗塞の発症予防が重要であり, これには, リスク因子や発症病態を明らかにすることが必要とされる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.980