A-8 東京都CCUネットワークにおける急性肺塞栓症死亡例の検討
「目的」: 東京都CCUネットワーク加盟施設における急性肺塞栓症死亡例の特徴を明らかとする. 「方法」: 2005年1月から2010年12月までに東京都CCUネットワークに報告された肺塞栓連続832例を対象とし報告された調査票をもとに後ろ向きに検討した. 「結果」: 肺塞栓症832例中, Non-massive 331例(39.8%), Sub-massive 261例(31.4%), Massive 81例(9.7%), Collapse 47例(5.6%), 重症度不明112例(13.5%)であった. 死亡例は71例で死亡率は8.5%であった. 重症度別の死亡率はNon-massive 2...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2013-07, Vol.45 (7), p.847-847 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」: 東京都CCUネットワーク加盟施設における急性肺塞栓症死亡例の特徴を明らかとする. 「方法」: 2005年1月から2010年12月までに東京都CCUネットワークに報告された肺塞栓連続832例を対象とし報告された調査票をもとに後ろ向きに検討した. 「結果」: 肺塞栓症832例中, Non-massive 331例(39.8%), Sub-massive 261例(31.4%), Massive 81例(9.7%), Collapse 47例(5.6%), 重症度不明112例(13.5%)であった. 死亡例は71例で死亡率は8.5%であった. 重症度別の死亡率はNon-massive 2.4%, Sub-massive 3.2%, Massive 27.2%, Collapse 55.3%であった. 重症度が判明している症例の死亡原因は肺塞栓再発9例, ショック27例, 多臓器不全11例, 肺高血圧1例, 突然の心停止1例, 心不全1例, 癌死4例, 出血死3例, 感染症死4例, その他3例であった. 下大静脈フィルターの使用率は全体で40.6%で, Non-massive 37.2%, Sub-massive 49.4%, Massive 46.9%, Collapse 31.9%であった. Collapse例では使用率が低く, 循環動態の急激な悪化により, 深部静脈血栓症の評価や下大静脈フィルターを留置する間もなく死亡している症例が多いことが推測された. 死亡原因のうち, 肺塞栓再発, ショック, 多臓器不全, 肺高血圧症, 心停止, 心不全を肺塞栓関連死と定義すると, 死亡における肺塞栓関連死の割合はNon-massive 25.0%, Sub-massive 75.0%, Massive 81.8%, Collapse 92.3%と重症度が上がる程, 肺塞栓関連死の割合が大きかった. このうち, Sub-massive例の, 下大静脈フィルター使用129例中肺塞栓関連死は1例(0.78%)であり, 非使用例123例中5例(4.1%)と比較して肺塞栓関連死が低率であった. 「結語」: 東京都CCUネットワーク加盟施設の肺塞栓症死亡例の特徴が明らかとなった. 下大静脈フィルターはSub-massive例の一部に対して循環不全死を抑制する可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0586-4488 |