4. 家族性高コレステロール血症に対するコレステロール低下療法

[はじめに] 1990年代に始まる大規模臨床試験により, HMGCoA還元酵素阻害薬(スタチン)が心血管イベントの初発, 再発予防に有効であることが明らかとされた. その後も糖尿病や高血圧, 高齢者, 高感度CRP高値, 急性冠症候群などさまざまなリスク背景を有する患者群を対象にスタチンによる脂質介入試験が行われたが, その多くはスタチンによる低比重リポ蛋白(low density lipoprotein; LDL)コレステロール低下療法の効果を支持するものであった. しかも心血管イベント発症予防のために, LDLコレステロール値は"the lower, the better&quo...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 2013-06, Vol.45 (6), p.657-662
Hauptverfasser: 川尻剛照, 多田隼人, 山岸正和
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[はじめに] 1990年代に始まる大規模臨床試験により, HMGCoA還元酵素阻害薬(スタチン)が心血管イベントの初発, 再発予防に有効であることが明らかとされた. その後も糖尿病や高血圧, 高齢者, 高感度CRP高値, 急性冠症候群などさまざまなリスク背景を有する患者群を対象にスタチンによる脂質介入試験が行われたが, その多くはスタチンによる低比重リポ蛋白(low density lipoprotein; LDL)コレステロール低下療法の効果を支持するものであった. しかも心血管イベント発症予防のために, LDLコレステロール値は"the lower, the better"であることが確立されてきた. これらの知見は, 粥状動脈硬化がコレステロール蓄積性疾患であることを考えれば明白なことである. 家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia; FH)は著明な高LDLコレステロール血症の結果, 早発性冠動脈硬化症をはじめとする全身の粥状動脈硬化症を発症するため, 高LDLコレステロール血症と粥状動脈硬化の因果関係を明確とするモデル疾患である.
ISSN:0586-4488