臼井論文に対するEditorial Comment
本論文は, 右腎孟癌の左反回神経リンパ節転移による機械的な圧受容器の圧迫と舌咽神経を介した機序で, 失神を発症した症例の報告である. 失神患者は救急室受診者の3.5%であり, 失神の原因として心源性, 起立性低血圧, 神経調節性失神症候群, 脳血管性などがあげられるが1), Framingham studyによると心源性が10%, 血管迷走神経性が21%, 原因不明が37%であった2). 失神を診断する際には, 病歴を含めた詳細な問診, 身体所見, 起立時の血圧測定, 心電図などが基本的な検査となる. 心源性では心拍出量の減少に伴って失神が出現するが, 原因として心弁膜症, 心機能低下例, 徐...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2013, Vol.45(3), pp.319-320 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本論文は, 右腎孟癌の左反回神経リンパ節転移による機械的な圧受容器の圧迫と舌咽神経を介した機序で, 失神を発症した症例の報告である. 失神患者は救急室受診者の3.5%であり, 失神の原因として心源性, 起立性低血圧, 神経調節性失神症候群, 脳血管性などがあげられるが1), Framingham studyによると心源性が10%, 血管迷走神経性が21%, 原因不明が37%であった2). 失神を診断する際には, 病歴を含めた詳細な問診, 身体所見, 起立時の血圧測定, 心電図などが基本的な検査となる. 心源性では心拍出量の減少に伴って失神が出現するが, 原因として心弁膜症, 心機能低下例, 徐脈性不整脈のほか, 致死的な不整脈(心室細動や心室頻拍)などがあげられる. これらを鑑別するため, 心エコー図, ホルター心電図, 必要に応じて電気生理検査を施行する. 血管性では大動脈解離, 大動脈炎症候群, 肺塞栓症などがあげられ, MRI, 造影CT, 血管造影などの検査が有用である. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.45.319 |