網屋論文に対するEditorial Comment

わが国における高血圧患者の総数はおよそ4,000万人に及ぶと推定されており, その診療には循環器や腎臓病を専門とする医師だけでなく, 広く一般医家およびさまざまな領域を専門とする医師が担当する必要がある. 数多い高血圧患者の90%以上は, 発症に遺伝的な素因やさまざまな環境要因など複数の成因が関係すると考えられている本態性高血圧である. 特定の原因により血圧が上昇する2次性高血圧は, 頻度は少ないが, 原因疾患を的確に診断し, 手術やインターベンションなど適切な治療を行うことにより血圧が正常化する場合も少なくないため, 患者の予後改善とともに, 長期的な降圧薬治療に要する費用を考慮すると医療経...

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Veröffentlicht in:心臓 2013, Vol.45(3), pp.312-313
Hauptverfasser: 石光, 俊彦, 山口, すおみ
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:わが国における高血圧患者の総数はおよそ4,000万人に及ぶと推定されており, その診療には循環器や腎臓病を専門とする医師だけでなく, 広く一般医家およびさまざまな領域を専門とする医師が担当する必要がある. 数多い高血圧患者の90%以上は, 発症に遺伝的な素因やさまざまな環境要因など複数の成因が関係すると考えられている本態性高血圧である. 特定の原因により血圧が上昇する2次性高血圧は, 頻度は少ないが, 原因疾患を的確に診断し, 手術やインターベンションなど適切な治療を行うことにより血圧が正常化する場合も少なくないため, 患者の予後改善とともに, 長期的な降圧薬治療に要する費用を考慮すると医療経済的にも重要性が高い問題である. 2次性高血圧の中で最も頻度が高いのは, 腎機能の低下による尿中Na排泄異常が主要な原因となる腎実質性高血圧であり, 近年, 慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)として, 早期より積極的な降圧治療を行うことが, 腎不全のみならず脳卒中や冠動脈疾患など心血管疾患のリスクを減じるうえでも重要であることが強調されている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.312