腫瘍崩壊症候群による高カリウム血症により心肺停止にいたった多発性内分泌腫瘍2A関連巨大褐色細胞腫の1例
症例は27歳, 女性. 呼吸困難, 動悸を主訴に近医を受診し, 重症高血圧を指摘された. その後, 呼吸困難増悪のため当院へ搬送され, 緊急入院した. 腹部CTにて両側副腎に巨大腫瘤を認め, 両側褐色細胞腫による高血圧症, 高血圧性心不全の診断で治療を開始した. 入院後症状は改善傾向にあったが, 第4病日に意識レベルの低下とともに急激な血中カリウム濃度の上昇を認め, 高カリウム血症から心肺停止にいたった. 経皮的心肺補助療法を開始し, 持続血液濾過透析にてカリウム除去を行ったが改善はみられず, 第5病日に死亡退院した. 病理解剖にて両側副腎腫大, 右甲状腺髄様癌を認めた. すでに母親が多発性内...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2013, Vol.45(2), pp.163-168 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は27歳, 女性. 呼吸困難, 動悸を主訴に近医を受診し, 重症高血圧を指摘された. その後, 呼吸困難増悪のため当院へ搬送され, 緊急入院した. 腹部CTにて両側副腎に巨大腫瘤を認め, 両側褐色細胞腫による高血圧症, 高血圧性心不全の診断で治療を開始した. 入院後症状は改善傾向にあったが, 第4病日に意識レベルの低下とともに急激な血中カリウム濃度の上昇を認め, 高カリウム血症から心肺停止にいたった. 経皮的心肺補助療法を開始し, 持続血液濾過透析にてカリウム除去を行ったが改善はみられず, 第5病日に死亡退院した. 病理解剖にて両側副腎腫大, 右甲状腺髄様癌を認めた. すでに母親が多発性内分泌腫瘍 (multiple endocrine neoplasia ; MEN) 2Aと診断されていたため, 患者の遺伝子診断を行った結果, MEN2Aと診断された. 今回われわれは, 腫瘍崩壊症候群により急激な経過をたどった巨大褐色細胞腫の1例を経験したため報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.45.163 |