慢性心不全患者におけるASVマスク受け入れについての検討: チーム活動の成果

チェーン・ストークス呼吸を伴う中枢性睡眠時無呼吸を有する慢性心不全患者の予後は悪いことが知られており,今日こうした患者の治療に効果が期待されているのがadaptive servo ventilation(ASV)である.しかし,ASVは導入成功率や使用継続率の低さが問題となっていることから,われわれの施設では多職種からなるASVチームを結成して,プロトコルを定めてASVの導入や治療維持の向上を試みた. 当院のASVチームの介入は,チェックリストを使用しながらマスクに対する不快感や皮膚トラブルについて毎日観察を行った初期(stage 1)と,導入ステップを使用して4つのステップを段階的に踏んでい...

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Veröffentlicht in:心臓 2012/12/15, Vol.44(12), pp.1573-1576
Hauptverfasser: 本村, 麻衣, 安藤, 真一, 末次, 富子, 浦志, 嵩久, 門上, 俊明, 籾井, 英利
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:チェーン・ストークス呼吸を伴う中枢性睡眠時無呼吸を有する慢性心不全患者の予後は悪いことが知られており,今日こうした患者の治療に効果が期待されているのがadaptive servo ventilation(ASV)である.しかし,ASVは導入成功率や使用継続率の低さが問題となっていることから,われわれの施設では多職種からなるASVチームを結成して,プロトコルを定めてASVの導入や治療維持の向上を試みた. 当院のASVチームの介入は,チェックリストを使用しながらマスクに対する不快感や皮膚トラブルについて毎日観察を行った初期(stage 1)と,導入ステップを使用して4つのステップを段階的に踏んでいきながら徐々にASVに慣れてもらい,退院後に電話によるフォローアップを行った後期(stage 2)に分けられる. ASVを導入した慢性心不全患者45名をASVチーム介入前(11名),stage 1(23名),stage 2(11名)の3群に分け,チーム介入が治療継続に与える影響を検討した. 患者背景には3群間で有意差は認めなかった.ASV治療継続率は,チーム介入前と比較して,チーム介入後全体では有意に改善した(9% vs 62%,p<0.01).また,stage 1とstage 2を比較すると,stage 2で有意にASV治療継続率が改善していた(57% vs 73%,p<0.05). 定められたプロトコルを使用したチームとしての介入,患者のサポートがASV治療のアドヒアランスを改善させ得ることが示された.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.44.1573