高血圧と冠動脈疾患

わが国における心血管疾患の特徴としては, 欧米に比べ, 脳卒中の頻度が多く, 狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患の頻度が相対的に少ないのが特徴ですが, 降圧治療の進歩により脳卒中の発症は減少しているのに対し, 冠動脈疾患の発生頻度は生活様式の欧米化に伴って増加しつつあります. また, 冠動脈病変に対するカテーテルインターベンションやバイパス手術が進歩した結果, 冠動脈疾患患者の予後は向上していますので, 今後, 冠動脈疾患の患者を診療する機会は多くなると思われます. 冠動脈疾患を予防するとともに, 冠動脈疾患患者の長期的な予後を改善するためには, 喫煙や脂質異常症などとともに主要な危険因子である...

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Veröffentlicht in:心臓 2012-10, Vol.44 (10), p.1339-1342
1. Verfasser: 石光俊彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:わが国における心血管疾患の特徴としては, 欧米に比べ, 脳卒中の頻度が多く, 狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患の頻度が相対的に少ないのが特徴ですが, 降圧治療の進歩により脳卒中の発症は減少しているのに対し, 冠動脈疾患の発生頻度は生活様式の欧米化に伴って増加しつつあります. また, 冠動脈病変に対するカテーテルインターベンションやバイパス手術が進歩した結果, 冠動脈疾患患者の予後は向上していますので, 今後, 冠動脈疾患の患者を診療する機会は多くなると思われます. 冠動脈疾患を予防するとともに, 冠動脈疾患患者の長期的な予後を改善するためには, 喫煙や脂質異常症などとともに主要な危険因子である高血圧を管理することが重要です. 心血管疾患のリスクと血圧の関係を検討した疫学的な研究のメタアナリシスの成績では(図1), 脳卒中とともに冠動脈疾患についても各年齢層において血圧との間に直線的な関係が認められています.
ISSN:0586-4488