非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)が有効であった肺高血圧合併肥満低換気症候群の1例
症例は,70歳代,男性.元来高度肥満(BMI 34)を指摘されていた.労作時息切れ,下腿浮腫,食欲不振を主訴に近医受診.胸部X線で心拡大と胸水を認め,心エコーにて推定肺動脈圧70mmHgと高値であり,肺高血圧,右心不全の診断で当科紹介入院となった.入院時,room airでPaCO2 61.4mmHg,PaO2 38.7mmHgとⅡ型呼吸不全を認めた.右心カテーテル検査では肺動脈圧は49/24(33)mmHgであった.また,重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(無呼吸低呼吸指数92.8/時)も認め,非侵襲的陽圧換気療法(non-invasive positive pressure ventilati...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2012/10/15, Vol.44(10), pp.1301-1306 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は,70歳代,男性.元来高度肥満(BMI 34)を指摘されていた.労作時息切れ,下腿浮腫,食欲不振を主訴に近医受診.胸部X線で心拡大と胸水を認め,心エコーにて推定肺動脈圧70mmHgと高値であり,肺高血圧,右心不全の診断で当科紹介入院となった.入院時,room airでPaCO2 61.4mmHg,PaO2 38.7mmHgとⅡ型呼吸不全を認めた.右心カテーテル検査では肺動脈圧は49/24(33)mmHgであった.また,重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(無呼吸低呼吸指数92.8/時)も認め,非侵襲的陽圧換気療法(non-invasive positive pressure ventilation;NPPV)を導入し,肺動脈圧,血液ガスモニター下に酸素投与とNPPVの効果,設定の至適化を検討した.就寝時,無呼吸により経皮的酸素飽和度(SpO2)は63%まで低下し,肺動脈圧67/23(40)mmHgへ上昇した.NPPVと酸素2L/分投与の併用にて,肺動脈圧38/17(26)mmHgへ低下した.また,PaCO2 46.2mmHg,PaO2 97.1mmHgとⅡ型呼吸不全も改善を認めた.NPPVが有効であった肺高血圧合併肥満低換気症候群の1例を報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.44.1301 |