B-9 バス旅行の1カ月後に顕在化した肺動脈血栓症の1例

「はじめに」バス旅行の後, 1カ月が経過して労作時呼吸困難が出現した症例を経験したので報告する. 「症例」「患者」: 60歳, 女性. 「主訴」: 呼吸困難. 「現病歴」: 2010年12月中旬に片道4時間のバス旅行(1泊)に行った. 同月下旬より自転車に乗った際に息切れが出現するようになった. 2011年1月中旬からは10m歩行でも息切れが出現し, 同年1月下旬に近医を受診した. 同院からの依頼によるCT検査目的にその4日後当院放射線科に独歩にて来院した. 症状が強かったため, 胸部から下肢にかけての造影CTを行った. 肺動脈および下肢静脈に造影欠損を認めたため, 当科紹介となり同日精査加療目的に緊急入院した. 「既往歴」: 30歳; 高血圧, 54歳; 脳出血(後遺症なし). 「家族歴」: 特記すべきことなし. 「生活歴」: 喫煙歴なし, 機会飲酒, アレルギー; 金属. 「内服薬」: doxazosin mesilate 2mg, olmesartan medoxomil 10mg, nifedipine 20mg.