B-8 当科で経験した先天性アンチトロンビン欠損症例
「はじめに」アンチトロンビン欠損症は常染色体優性遺伝疾患であり, 手術, 妊娠, 外傷, 感染症を契機に思春期以降に血栓症を発症することが多い疾患である. 兄妹においてアンチトロンビン欠損症により静脈血栓塞栓症を呈した症例を経験したので報告する. 「症例」兄, 発症時25歳. 2010年に明らかな誘因なく左下肢腫脹および疼痛が出現したため当院を受診, バイタルサインは安定, 造影CTおよび下肢静脈エコー検査により肺塞栓および左下肢総腸骨静脈を先進部とする深部静脈血栓症と判明した. 心エコーでは右心負荷所見はないものの, 抗凝固療法に加え血栓溶解療法を併用したため回収可能型下大静脈フィルターを留...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2012-07, Vol.44 (7), p.924-925 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」アンチトロンビン欠損症は常染色体優性遺伝疾患であり, 手術, 妊娠, 外傷, 感染症を契機に思春期以降に血栓症を発症することが多い疾患である. 兄妹においてアンチトロンビン欠損症により静脈血栓塞栓症を呈した症例を経験したので報告する. 「症例」兄, 発症時25歳. 2010年に明らかな誘因なく左下肢腫脹および疼痛が出現したため当院を受診, バイタルサインは安定, 造影CTおよび下肢静脈エコー検査により肺塞栓および左下肢総腸骨静脈を先進部とする深部静脈血栓症と判明した. 心エコーでは右心負荷所見はないものの, 抗凝固療法に加え血栓溶解療法を併用したため回収可能型下大静脈フィルターを留置した. 入院時の採血検査結果によりアンチトロンビン欠損症タイプ1と判明, アンチトロンビンを補充しながら抗凝固療法を施行した. 肺動脈における血栓は消失したものの左下肢の深部静脈血栓は溶解されず腸骨静脈領域にも血栓が残存した. |
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ISSN: | 0586-4488 |