慢性炎症と生活習慣病

最近, さまざまな慢性疾患の発症や進展に慢性炎症が大事だと言われるようになっています. 動脈硬化の発症に慢性炎症が深く寄与していることは以前より指摘されてきたことですが, 慢性心不全にも慢性炎症の関与が示唆されています. また, メタボリックシンドロームや2型糖尿病, 慢性腎臓病といった生活習慣病, さらに癌, また, アルツハイマー病をはじめとする中枢神経系疾患においても, 慢性炎症が重要と考えられています. 臨床的には, 血中CRPや炎症性サイトカインといった, 炎症を反映するバイオマーカーのレベルと, 心血管疾患をはじめとする生活習慣病の予後などが関連することが明らかになっています. そ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 2012-06, Vol.44 (6), p.769-770
1. Verfasser: 真鍋一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:最近, さまざまな慢性疾患の発症や進展に慢性炎症が大事だと言われるようになっています. 動脈硬化の発症に慢性炎症が深く寄与していることは以前より指摘されてきたことですが, 慢性心不全にも慢性炎症の関与が示唆されています. また, メタボリックシンドロームや2型糖尿病, 慢性腎臓病といった生活習慣病, さらに癌, また, アルツハイマー病をはじめとする中枢神経系疾患においても, 慢性炎症が重要と考えられています. 臨床的には, 血中CRPや炎症性サイトカインといった, 炎症を反映するバイオマーカーのレベルと, 心血管疾患をはじめとする生活習慣病の予後などが関連することが明らかになっています. そのため, 慢性炎症は病期のメカニズムの理解に重要なだけでなく, 新たな治療法や診断法の標的として注目されています. 本日は, 特に, 心血管疾患と代謝疾患を対比させながら, 生活習慣病における慢性炎症を考えてみたいと思います.
ISSN:0586-4488