上村論文に対するEditorial Comment

1990年にAgatstonらにより冠動脈石灰化を定量化した石灰化スコアが定義され1), 冠動脈狭窄の有無や病変指数との関連が明らかにされた. 動脈硬化の進展過程において, fatty streakからatheromaの形成にいたる初期の段階において, 動脈硬化巣内に微小石灰化が形成され, さらに進行すると石灰化が顕著な病変へと変化していくと考えられている. 総冠動脈石灰化量はその冠動脈のプラーク総量に比例するとされ, 石灰化スコアは, 冠動脈粥状硬化の量的指標と考えられている. 冠動脈石灰化は冠動脈疾患(coronary artery disease;CAD)の発症や予後の独立した危険因子で...

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Veröffentlicht in:心臓 2012, Vol.44(6), pp.689-690
1. Verfasser: 松永, 江律子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1990年にAgatstonらにより冠動脈石灰化を定量化した石灰化スコアが定義され1), 冠動脈狭窄の有無や病変指数との関連が明らかにされた. 動脈硬化の進展過程において, fatty streakからatheromaの形成にいたる初期の段階において, 動脈硬化巣内に微小石灰化が形成され, さらに進行すると石灰化が顕著な病変へと変化していくと考えられている. 総冠動脈石灰化量はその冠動脈のプラーク総量に比例するとされ, 石灰化スコアは, 冠動脈粥状硬化の量的指標と考えられている. 冠動脈石灰化は冠動脈疾患(coronary artery disease;CAD)の発症や予後の独立した危険因子であることが報告され, 欧米ではelectron beam-CTによる冠動脈石灰化スコア400以上をCAD発症の高リスク群としてきた. 一方, 高石灰化スコアを呈する症例は狭窄やプラーク検出率の低下を生じ, 診断困難となることが多い.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.44.689