浅野論文に対するEditorial Comment
疫学的な観察調査では脳卒中, 冠動脈疾患などの心血管疾患や腎障害などの循環器系臓器障害の発症, 進展のリスクと血圧の間には密接な関係が認められる. この直線的な関係は, 高血圧領域のみならず, 140/90mmHg未満の正常血圧領域においても延長され, 疫学的には115/75mmHgくらいのレベルまでは血圧が低ければ低いほど心血管系合併症のリスクが低減し, the lower, the betterの考え方が支持される. このようなことから, 日本高血圧学会による高血圧治療ガイドライン(JSH2009)1)では, 降圧目標として, 高齢者では高血圧の診断基準である140/90mmHg未満である...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2012, Vol.44(3), pp.302-303 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 疫学的な観察調査では脳卒中, 冠動脈疾患などの心血管疾患や腎障害などの循環器系臓器障害の発症, 進展のリスクと血圧の間には密接な関係が認められる. この直線的な関係は, 高血圧領域のみならず, 140/90mmHg未満の正常血圧領域においても延長され, 疫学的には115/75mmHgくらいのレベルまでは血圧が低ければ低いほど心血管系合併症のリスクが低減し, the lower, the betterの考え方が支持される. このようなことから, 日本高血圧学会による高血圧治療ガイドライン(JSH2009)1)では, 降圧目標として, 高齢者では高血圧の診断基準である140/90mmHg未満であるが, 若・中年者では正常高値血圧より低い130/85mmHg未満, 糖尿病, 心筋梗塞後や慢性腎臓病(chronic kidney disease; CKD)のように臓器障害があり, リスクが高い場合には, さらに低い130/80mmHg未満と厳格な血圧コントロールを行うことが推奨されている. 実地臨床において, このように厳格な降圧目標を達成するためには, 多くの場合, 複数の降圧薬を併用して用いることが必要である. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.44.302 |