右心房に直接開口する右冠動脈: 右心房瘻を伴った冠動脈拡張症の1例

症例は43歳, 男性. 2010年6月から労作時の動悸および前胸部圧迫感が生じるようになった. 同年10月よりそれらが増悪したため, 他医院を受診した. 狭心症が疑われたため, 当院の外来に紹介された. 外来で施行した64列multidetector computed tomographyでは, 右冠動脈の冠動脈拡張症および冠動脈右房瘻, 左回旋枝の冠動脈右房瘻が認められた. 冠動脈造影では左前下行枝の血管径は正常範囲であったが, 左回旋枝は軽度拡張し, 右冠動脈は著明に拡張し最大径は10.9mmであった. また, 右冠動脈の末梢が右心房に直接開口する冠動脈右房瘻, および左回旋枝の末梢が右心...

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Veröffentlicht in:心臓 2011, Vol.43(12), pp.1556-1562
Hauptverfasser: 川島, 理, 青野, 豪, 阿部, 秀樹, 高田, 一男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は43歳, 男性. 2010年6月から労作時の動悸および前胸部圧迫感が生じるようになった. 同年10月よりそれらが増悪したため, 他医院を受診した. 狭心症が疑われたため, 当院の外来に紹介された. 外来で施行した64列multidetector computed tomographyでは, 右冠動脈の冠動脈拡張症および冠動脈右房瘻, 左回旋枝の冠動脈右房瘻が認められた. 冠動脈造影では左前下行枝の血管径は正常範囲であったが, 左回旋枝は軽度拡張し, 右冠動脈は著明に拡張し最大径は10.9mmであった. また, 右冠動脈の末梢が右心房に直接開口する冠動脈右房瘻, および左回旋枝の末梢が右心房に直接開口する冠動脈右房瘻の合併も確認した. さらに, 血液サンプリングにて34~46%の左右シャントが判明した. 201Tl運動負荷シンチグラムでも心筋虚血が認められたため, 冠動静脈瘻閉鎖術を予定した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.43.1556