心疾患における非心筋細胞の機能

心不全などの心疾患のメカニズムを考えるとき, われわれは心筋細胞のことだけに注目しがちである. しかしながら, 心筋の間質には多様な細胞(間質細胞)が存在する. 血管細胞は血管を作り, その機能を制御している. 線維芽細胞は心筋細胞が機能する足場を作るのに必須である. ほかにも免疫細胞が多数存在することも知られている. また, 心臓前駆細胞が存在するのも間質である. 実際, ラットでは心臓線維芽細胞のほうが心筋細胞より数が多いことが知られている. ところが, これら間質細胞の機能的な役割については, まだよくわかっていないことが多い. 従来から, in vitroの実験系を中心とした先駆的な研...

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Veröffentlicht in:心臓 2011, Vol.43(12), pp.1491-1491
1. Verfasser: 真鍋, 一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:心不全などの心疾患のメカニズムを考えるとき, われわれは心筋細胞のことだけに注目しがちである. しかしながら, 心筋の間質には多様な細胞(間質細胞)が存在する. 血管細胞は血管を作り, その機能を制御している. 線維芽細胞は心筋細胞が機能する足場を作るのに必須である. ほかにも免疫細胞が多数存在することも知られている. また, 心臓前駆細胞が存在するのも間質である. 実際, ラットでは心臓線維芽細胞のほうが心筋細胞より数が多いことが知られている. ところが, これら間質細胞の機能的な役割については, まだよくわかっていないことが多い. 従来から, in vitroの実験系を中心とした先駆的な研究により, 例えば, 線維芽細胞などの間質細胞が心筋細胞肥大に寄与することが示唆されていた. 最近の細胞特異的遺伝子改変マウスなどのテクノロジーの進歩は, 非心筋細胞の機能をin vivoで直接に検証することを可能とし, 間質細胞が心臓発生, 恒常性の維持, 病態の発症, 進展に必須の役割を果たすことが報告されるようになっている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.43.1491