竹内庸浩論文に対するEditorial Comment
1967年に川崎病が報告されてから40年以上が経過し, 川崎病患者が小児科から内科に移行しつつあり, 現在, 成人期における川崎病患者の管理が問題となっている. 川崎病は全身の中小動脈の血管炎を主たる病態とし, 成人の動脈硬化に伴う心血管病変とは大きく異なっている. それと同時に川崎病患者が動脈硬化も併発する可能性のある年代となってきた. 成人期に達した川崎病の治療(薬物療法, 冠動脈インターベンション, 冠動脈バイパス術)や予後についてのエビデンスの高いデータはまだ少ない1)2). 本症例は, 冠動脈造影では見つからなかった冠動脈瘤がCTにより検出され, 冠動脈バイパス術を施行した例であり,...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2011, Vol.43(11), pp.1482-1483 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1967年に川崎病が報告されてから40年以上が経過し, 川崎病患者が小児科から内科に移行しつつあり, 現在, 成人期における川崎病患者の管理が問題となっている. 川崎病は全身の中小動脈の血管炎を主たる病態とし, 成人の動脈硬化に伴う心血管病変とは大きく異なっている. それと同時に川崎病患者が動脈硬化も併発する可能性のある年代となってきた. 成人期に達した川崎病の治療(薬物療法, 冠動脈インターベンション, 冠動脈バイパス術)や予後についてのエビデンスの高いデータはまだ少ない1)2). 本症例は, 冠動脈造影では見つからなかった冠動脈瘤がCTにより検出され, 冠動脈バイパス術を施行した例であり, 今後の成人期川崎病患者の冠動脈病変の診断および治療を検討していく上で大変参考になる症例である. 急性期の免疫グロブリン超大量単回療法が普及して冠動脈障害発生率はプラトーとなってきた. 6つの主要症状((1)5日以上続く発熱, (2)両側眼球結膜の充血, (3)いちご舌などの口唇, 口腔所見, (4)不定形発疹, (5)四肢末端の変化, (6)急性期における非化膿性頸部リンパ節腫脹)のうち5つ以上の症状を伴うものを川崎病と診断するが, それ以下の主要症状を有する患者にも冠動脈障害が発現することもある. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.43.1482 |