重症心不全を呈し, 集中治療で回復し得た周産期心筋症の2症例
重症心不全を呈した周産期心筋症から回復し得た2症例を経験したので報告する. 症例1: 30歳代後半, 1経産の女性. 妊娠36週に帝王切開で双胎を分娩. 同日夕方から急激な呼吸困難を認め, 当院に救急搬送された. 来院時SpO2 50%, 収縮期血圧50mmHgとショック状態. 肺うっ血は著明でEF 20%台と高度の壁運動異常を認め, 周産期心筋症による心不全と診断して直ちに挿管. 集中治療室に入室した. 輸血, 持続的血液濾過透析を要したが第9病日に人工呼吸を離脱. 第27病日に退院とし, その後, 外来通院を行っており, EFは60%と心機能の正常化を認めている. 症例2: 20歳代前半,...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2011, Vol.43(8), pp.1089-1094 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 重症心不全を呈した周産期心筋症から回復し得た2症例を経験したので報告する. 症例1: 30歳代後半, 1経産の女性. 妊娠36週に帝王切開で双胎を分娩. 同日夕方から急激な呼吸困難を認め, 当院に救急搬送された. 来院時SpO2 50%, 収縮期血圧50mmHgとショック状態. 肺うっ血は著明でEF 20%台と高度の壁運動異常を認め, 周産期心筋症による心不全と診断して直ちに挿管. 集中治療室に入室した. 輸血, 持続的血液濾過透析を要したが第9病日に人工呼吸を離脱. 第27病日に退院とし, その後, 外来通院を行っており, EFは60%と心機能の正常化を認めている. 症例2: 20歳代前半, 初産の女性. 正期産, 経膣分娩で女児を出産. 産後7日目の夜間, 急激に呼吸困難を自覚したために当院救急外来を受診した. SpO2 66%, 胸部X線写真で高度の心拡大と肺うっ血あり. 心エコー上EF 35%と全周性の壁運動低下を認め, 周産期心筋症による心不全と診断し, 気管挿管後, 集中治療室に入室した. フロセミド, カルペリチドの静脈内投与で心不全は改善. 第10病日には人工呼吸器を離脱できた. 内服には利尿薬, βブロッカー, ARBを追加して退院とした. 心機能はEF 56%と改善を認めており, 現在外来で経過観察中である. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.43.1089 |